ツール・ド・フランスのことを思い浮かべます。
ツールはドーピング問題で大混乱して、
ドイツでは中継を取りやめたし、
親たちは「子どもを絶対、自転車選手にはしたくない!」と
言うようになりました。
でもツールは、フランス人にとって、
心のふるさとのような立場があり、
「何があってもツールは中止にしない」と主催者は断言しました。
「夏といえばツール」というフランスの文化の中、
沿道で観戦した興奮や、
見に行かなくともテレビ観戦をした家族団らんとか、
ツールにまつわる思い出がフランス人にはたくさんあるようなんですよね。
スポーツを超越した文化…、いや、
「フランス人として大切にしなければならないもの」を持ったツール・ド・フランス。
だから、「続けなければならない」と自信を持って言えるんだと思います。
私は正直、お相撲はまったく興味はないんですけど、
きっと、日本人にとってのお相撲は、フランス人にとってのツールと
同じなんじゃないかと。
小さい頃、夢中になって大相撲中継を観戦したり、
巡業でやってきたお相撲さんを見て、その大きさに目を丸くしたり、
きっとお相撲は、日本人にとっての「Soul Sport」だったのはないかと。
だから毅然と、「日本人として場所は絶対中止にしてはならない」と
誰かに言ってもらいたかったような気がします
